昆布を宮中で慶事に用いたのは、おそらくかなり古いもので、武士はそれを真似たのではないかとみられます。『年中定例記』によれば「殿中正月ヨリ十二月まで、御対面御祝ハ以下ノコト」として「焼栗九、昆布九きれ(一寸四方)」と記してあります。
こうした習慣が、やがて公卿より武家へ、民間へと弘まり、その用い方も定式化されてゆくことになります。結婚披露を「お披露目」というのは、昆布の古名「ヒロメ」に通じるものでしょう。